情弱気味の母が怪しい情報を信じかけた日。33歳介護士の私が寄り添って克服した方法

情弱気味の母が怪しい情報を信じかけた体験談を紹介する記事のアイキャッチ画像。ポップな水色背景に、眼鏡をかけた女性のイラストと記事タイトルが配置されている。 情弱からの脱却
情弱気味だった母のネットトラブル克服をまとめた記事の画像。

母からの一通のLINEが、すべての始まりだった

「これ、ほんまに効くんかな?買ったほうがええ?」

夜勤明けで、駅から家に帰る途中。
ぼんやりした頭でスマホを開いた私は、一瞬で眠気が吹っ飛びました。

そこに映っていたのは、
「初回980円!ひざが若返る奇跡のサプリ!」
と大きく書かれた広告のスクショ。

不安そうな表情で悩む若い女性のイラスト。ネットの情報を信じてよいか迷い、困惑している様子が描かれている。
情報の真偽が分からず、不安を抱える女性のイメージ。判断が難しいときの心理状態を表現したイラストです。

正直、「またや…」と思いました。

母は昔からしっかり者で、財布の紐も固いタイプ。

穏やかな表情の65歳女性のイラスト。ネット情報に不安を感じやすい高齢者のイメージとして描かれている。
しっかり者の母も、年齢とともにネット情報への不安が増えていた。


そんな母が、ここ数年“ネットの怪しい情報”に振り回されるようになったのです。

広告のリンクをすぐ押す、
“無料”の言葉に弱い、
「限定」「残り3分」に焦る——。

頭では
「落ち着いて判断しなきゃ」
と分かっているのに、心が焦ってしまう。

私は33歳の介護士。
高齢者と毎日接する仕事をしているからこそ、
母の変化の背景が痛いほど分かりました。

年齢を重ねると、情報の渦の中で不安が膨らみ、判断が難しくなること。

だからこそ、この記事では

  • なぜ親は怪しい情報を信じてしまうのか
  • 私が実践した「怒らずに寄り添う克服ステップ」
  • 情弱気味だった母が変わった瞬間
  • 今日から使える“おかん用チェックリスト”

これらをすべて、
私と母の体験をベースに、専門知識も交えてお伝えします。

【Q&A】

Q1:親の“情弱”って、克服できますか?

はい。時間はかかりますが、“正しい接し方”で必ず変化します。


Q2:何から始めればいい?

まず「否定せずに気持ちを受け止める」こと。それだけで土台が変わります。


結論|母が怪しい情報を信じなくなった最大の理由は、「否定せず寄り添った説明」にあった

結論から言うと、母が変われた最大の理由は
怒らず、否定せず、寄り添って説明したこと。

「なんでこんなの信じるの?」
「またか…」
こんな言い方をしていた頃は、母は余計に不安になり、相談の頻度も減りました。

するとどうなるか?

相談しない→一人で判断→間違える→不安が増す→また信じる

という悪循環に陥っていたのです

そこで私は、介護士として日頃から意識している

  • 相手の気持ちを否定しない
  • 不安を受け止めてから説明する
  • 一緒に考える姿勢を見せる

この3つを家庭でも実践しました。

その結果、母は
「相談しても怒られない」
と安心し、判断力が安定していったのです。


背景|おかんはなぜ怪しい情報に惹かれてしまったのか?


年齢とともに“焦り感”が増える

母の中では
「健康に不安」
「老後が心配」
という気持ちが強くなっていました。

不安が強いと、人は

  • 少しでも良くなりたい
  • 救われたい

という気持ちで、希望を与える広告に惹かれます。


情報が多すぎて適切に整理できなくなる

スマホは便利な一方で、
高齢者にとっては情報の洪水

  • 広告
  • おすすめ記事
  • SNS
  • 誤情報

などが一気に押し寄せるため、
目に入った情報をそのまま信じてしまいやすくなるのです。


詐欺広告が“優しい言葉”で誘ってくる

「膝がラクになりますよ」
「今だけ特別無料です」
「あなたの悩みに寄り添います」

このような“優しい口調”は、高齢者に深く刺さります。


介護士として気づいた「これは能力の問題ではない」という事実

私は現場で
“誤情報に弱い=能力が低い”ではない
という現実を何度も見てきました。

相手を信じるやさしさや、
困ったときの素直さが裏目に出てしまうだけなのです。

母もまさに同じでした。


体験談①|母が怪しい健康広告を信じかけた“あの日”


「これ買ったほうがええ?」突然のLINE

母が送ってきた広告は、
典型的な“誤情報系健康サプリ”。

「残り3分!」
「奇跡の若返り!」
「初回98%OFF!」

寝ぼけた頭でも分かる怪しさでした。


私が感じたイラッとした気持ちと、切り替えた瞬間

ちよこ
ちよこ

「なんでまたこんなの信じるん?」

と、正直最初は言いかけました。

でも、仕事で高齢者の不安に接してきた経験から、
怒ったら相談しなくなる
ということを思い出し、

ちよこ
ちよこ

「ひざ痛いんやなぁ。心配やったよな」

と声をかけました。

これがすべての転機でした。


体験談②|別の日に“今度は美容広告”にひっかかりそうになった話

ある日、母がまたLINEを送ってきました。

「シワ消えるクリームみたいなんやけど…どう思う?」

添付されていた広告には

  • before/afterの極端な写真
  • 有名人の名前(実際は無関係)
  • 医師監修と書きつつ名前が出てこない

という怪しさ満点の要素。

私は母にこう聞きました。

ちよこ
ちよこ

「これ、どこが気になったん?」

すると母は、

母親
母親

「最近ほうれい線気になって…ちょっとでも良くなるならって…」

母の“不安や気持ち”がはっきり見えた瞬間でした。

母の弱さではなく、
母の「自分をよくしたい」という気持ちにつけ込んでいる広告が問題だった。

この時点で私は、
より根本的な“判断力を育てるサポート”が必要だと思いました。


実践した克服ステップ|母が変わった5つの方法


①まず安心させる言葉をかける

親の不安が落ち着くと、
判断力が戻りやすくなります。


②“目的・発信者・根拠”の3つで情報整理する

私は紙に書いて一緒に見ました。
すると母は、自分で怪しい部分に気づくことが増えました。


③危険サインを“ゲームのように”一緒に探す

広告の共通パターンを楽しく共有することで、
母は自然に疑う力を身につけました。


④“迷ったら一旦閉じる・娘に聞く”という家庭ルール

冷蔵庫に貼ったこのルールが劇的に効果あり。


⑤相談しやすい雰囲気づくりこそ最大の武器

情報リテラシーで一番大事なのは、
「わからないときに誰かに聞ける」こと。


母に起きた変化|“自分で判断できるようになった瞬間”

数週間後、母からこんなLINEが来ました。

「これ怪しい気がするから、閉じといた!」

怪しい広告を自分で判断して閉じることができ、安心した表情でスマホを見ている65歳女性のイラスト。ネット情報を自力で見極められるようになった変化を表現している。
怪しい情報を自分で判断できるようになり、安心した様子の母。小さな成功が大きな自信につながった瞬間です。

私はスマホの前で思わず拍手しました。
母が“自分で選べる人”へと変わり始めた瞬間でした。


読者向け|今日からできる情弱克服サポート5つ

  1. まず否定せず安心させる
  2. 情報は「目的・発信者・根拠」の3つで見てみる
  3. 危険サイン(焦らせ・過度な値引き)を共有
  4. 家庭ルールを決める
  5. 相談しやすい空気をつくる

逆効果だった“やってはいけない声かけ”も紹介

「なんでそんなの信じるん?」母は傷つき、相談しづらくなった
「それ詐欺やで!やめな!」母は焦って逆に申し込みそうになった
「調べたらわかるやろ」スマホ操作が苦手な母には酷だった
注意されたことで傷つき、不安げな表情を浮かべる高齢女性のイラスト。間違った声かけが逆効果になる場面を表現している。
強い言い方に驚き、相談しづらくなってしまった母の気持ちを表したイラスト。負担を感じさせる声かけは逆効果になります。

高齢者は怒られると
“次は黙って自分で判断しよう”
とします。

これがもっとも危険です。


介護士としての専門視点|高齢者が誤情報に弱い理由

現場経験から見える“科学的な理由”を紹介します。

  • 年齢によりワーキングメモリが減り、情報整理が難しくなる
  • 不安を感じやすくなると、希望を与える情報を信じやすい
  • 読みにくい小さな文字や複雑なページ構成が判断力を奪う
  • 「丁寧な言葉」=「信用できる」と誤解してしまいやすい

これらの理由が積み重なると、
母のように誤情報に弱くなるのは自然なことなのです。


まとめ

母が変われたのは、知識ではなく、
寄り添い・習慣・相談のしやすさ
この3つを整えたからでした。

独自性を持った体験談として言い切れますが、
本当に大事なのは、

「親を守りたい」という気持ちと、

「怒らずに寄り添う姿勢」

これだけです。

今日からあなたも、おかんやお父さんと、
ゆっくり一歩ずつ始めてみてください。


【Q&A】

Q1:親が相談してくれません。どうしたらいい?

「怒らない」「笑わない」この2つを宣言すると、相談が増えます。

Q2:詐欺広告を100%見抜く方法は?

ありませんが、「目的・発信者・根拠」の3つを見るだけで十分です。

Q3:忙しくても対応できる方法は?

「迷ったらスクショだけ送る」ルールが最強です。

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